2017年7月18日火曜日

北海道旅行記

1ヶ月前、私は夏風邪にかかった。
こんなにひどくなるのか、というくらい症状は多岐に渡り、
大げさに言うと、死を意識したり、元に戻らなくなったことを想像していた。

そして先週末から今日まで、北海道に家族旅行に行っていた。

家族旅行は3泊4日。長いようで短い。あっという間だ。
雨だと言われていた予報は、晴れや曇りに代わり、
閉園ギリギリで入れないと言われた動物園にも
懇願して入れてもらえた。

家族なんて、
と思っていた数ヶ月前。
関係はあまり(全然)良くなくて、イライラすることも多かった。
夏風邪にかかった為、自然と連絡をとる頻度も減った。

それから久々に会った家族との関係はとても良好で、
心が穏やかになり、不安定な心も自然とバランスが取れるようになった。
これもおおげさではなくて、ただ、安心した。

甘えるでもなく(ちょっと甘えた)、愚痴を吐くでもない、
良好な関係が旅行中は続いた。

友人とでしかわかりあえないことがあるように、
家族とでしかわかりあえないことがある。

そういうことを、今回の旅行で学べたのは、
今の私にはとても大切なことだったように思う。

楽しかった。
また明日からも愉しく生きよう。

2017年6月22日木曜日

インタビュー 写真 ファッション

先日、高木さんという人にインタビューをした。
内容は、伝えられるまで時間がかかるので、ここではあまりできないけれど、
カフェで高木さんの話を聞いてる途中、
いやになるくらい涙が止まらなくなった。

「ストップストップ、今泣かないほうがいいぞ。
空気悪くなるから、やめたほうがいい。」

と自分に言い続けるのだが、
あっけなく自分の気持ちとは裏腹に、
勝手に目から溢れ落ちていった。

高木さんは、淡々と話す。
しんどいことも、楽しいことも、
同じくらいのテンションで、話してくれる。
泣いてしまった理由は、
高木さんの目が、透明で、澄んでいて、
あまりにも、綺麗でなにより、優しいからだ。
この人の心は、とてもあったかいのだろうなと
話を聞いていて思った。

そんな優しさに触れると、
理由は全くわからないのに、
涙が止まらなくなるのだ。
そんな自分に浸っているわけではない。
自分の弱さを見せても、包んでもらえるような気がして、
ありがとう、ありがとうと言って、
その人の胸に飛び込みたくなる気持ちだ。
(私は生理なのか.... ?)


感情を揺さぶられて、どうにもできないくらいの話を、
私はどう文字におこして、人に伝えられるだろう。

フィルムスキャンをしながら考えている。
お粥はいつでも美味しい。




2017年5月28日日曜日

contax tvs の記憶

元気がなかった。
用事はあるのだけれど、元気がなかったのだ。
今年に入って、そんな気分の日なことがとても多い。
楽しいこともあるはずなのに、シューシューとしぼんでいきそうになる。

ふと、
注入しなければ。
と思った。

会って元気をもらえそうな人にとにかくヘルプの連絡をした。

その中でも、185センチくらいの長身のピエロみたいな顔をした
太田くんという後輩に連絡した。
彼は、1つ下の後輩でおちょくると返しが早く、面白くて、
人を甘やかせてメンヘラにする才能があるくらいに優しい。

顔はともかく、その性格で、
人からは好かれるだろうなとよく思う。

彼は、根本が良い奴なので、
「はいはい、都合の良い人探しね」と言ってくれ、
私が元気がないこともお構いなしに、
スパッともっといやな気持ちにさせてくれる。

ただ、図星なような気もしたので、
私は「うっ...」となり、「...そうだね。」
としか返せなかった。

とりあえず、ロケハンに付き合ってもらうべく、
下北沢に集合をかけた。

contax tvsを手に入れたので、ちゃんと機能するか
テストをしたかったのだ。
一人で景色を撮影するのも別にいいのだが、
やっぱり誰かを撮影するほうが、テストシュートとはいえ楽しめる。

待ち合わせをして、すぐにロケハンを始めた。
スタートしてからすぐにわかったことがあった。
それは、
私は彼のことを全くかっこよくは撮影できない。
ということだった。

フォトグラファーという肩書きを背負って、やっていこうと
ここ最近決意したばかりなのに、
彼のことを全くかっこよく撮れないのだ。
彼の元の顔もあるが、なんだか、落ちこんだ。

どうしたらいいのか。
迷った挙句、ちょっと走ってもらった。

彼は、ひょっとこのような顔をして
ひょろひょろと走りそうになっていたので、

「もっと本気で走ってよ」

とロケハンに付き合ってもらったのに
なんのお礼もなしに、おまけに本気で走れとの注文をした。
自分でも「何様なんだろ... 」とは思っているのだが、
彼は根本が優しいので、いっか。となって強制的にいろんなことを
注文してしまうのだ。

そのあとに、ほなみちゃんの家にいき、
みんなでバチェラージャパンという酷い番組を朝方まで見続けて、
あーだこーだ言いながら寝た。

その日は元気がなく、頭痛もしていたのに、
起きたら全部なくなっていた。

ちなみに、
太田くんに走ってもらったときの写真は
最近撮った写真の中で一番好きなものだった。








2017年4月22日土曜日

一番嬉しいこと (1)

滝本さんにお会いできた。
ずっとお会いしたかった人だ。
作品もそうだけど、
ずっと本人の写真をネットで見ていて、
どんな人なのか、ずっと知りたかった。

会ったときの笑顔はとても優しくて、
目は、とても綺麗だなぁと感じた。

緊張して、好きな食べ物なんですか、みたいなことしか
質問できないかとおもっていた。
インタビューで何度も話しているような事なのに、
自分の写真の世界に入ったときのことを、ちゃんと話をしてくれた。
本で読んでるつもりだったのに、いざ会ってみると
色々忘れてしまう。

よくある、フィルムの話も、デジタルの話も、
うまく話せないことにも、
自分が聞きたいことをぽっと話しをしてくれた。

「写っているものがなにかってことが大事だと思う」
(緊張しすぎて覚えてないけどこれは話してくれた)

映画のこともちょっと触れてくれて、
私は今日、胸がいっぱいだ。

2017年4月3日月曜日

夜に考えること  モノローグ #1

3ヶ月前、ある人に手紙を書いた。
ずっと前から送りたかった人だ。

九州は福岡に住むその人に私は会ったことがない。
おまけに言うと、福岡に行ったことすらない。
その人と私の間に、特に繋がりもなかった。

きっかけは手紙だった。
去年の夏頃、大きな缶を見つけた。
そこにはたくさんの手紙が入っていてその中に、
手紙は混ざっていた。
封筒の裏には、『寺山』と書いてあった。


祖父は産婦人科医だった。
患者さんの相談にもよく乗っていたそうだ。
中には、自分の子供を産む覚悟ができなかった人や、お金がない人もいたという。
その中で、子供を産むことを諦めようとした夫婦がいたらしい。
祖父は、「僕が責任を持ちますから産みましょう。絶対大丈夫だから。」とその夫婦を説得した。
夫婦は子供を産む選択をし、その後無事出産できた、という話をだいぶ前に母親から聞いた。
(ちなみにいうとその後、責任を持つと行った祖父は、引っ越しをし、
病院の担当医は他の先生に引き継ぎ、
その夫婦の子供が生まれるその瞬間立ち会ったのは別の先生だったらしい。
よくよく聞くと、その時のその言葉には責任感はないなと思ったが。)


手紙は、その夫婦の旦那様のほうからのものだった。
書いてあったのは、生まれた息子が元気に育ったこと。
勉強ができ、成績がよかったこと。
大学時代に留学をして、そこで出会った外国の女性と結婚をしたこと。
帰国後、大学の教授になったことなどだった
それから、説得してくれた祖父への、たくさんの感謝の気持ちが綴られていた。


いつか手紙を書きたいと思った。
その人と話したいと思ったからだった。

その半年後、その人に手紙を書いた。
理由は、生きているうちに出会える人には出会ったほうがいいと
言われたからだった。


「寺山です。」
ある日の昼の留守電にそう入っていた。
その日の夜にも、電話をくれていて、
着信が鳴り終わった瞬間気づいて、すぐに掛け直した。

「はい、寺山です。」
女性の声がした。私が名前を名乗ると、すぐに男の人の声がした。
「寺山です。こんばんは。手紙、びっくりしました。」
電話の主は、祖父に手紙を送った本人だった。
もう生きているかどうかさえわからなくて、
息子さんか誰かにでも届いてほしいと願った手紙だったから、
本人からだったときは、変だけれど泣きそうになった。

「こんにちは、初めまして。孫の薫です。」

寺山さんと私は30分くらい電話をした。
祖父が真面目で頭のいい医者だったこと。
寺山さんの奥様が体調がよくなかったため、出産をやめようかと悩んだという話が実際にあったということ。
知らないことを知るたびに、なんだか嬉しくなった。
不思議だが自分を通して、天国にいる祖父と寺山さんの再会を手伝えた感覚もあった。

「九州に来るときがあったら、遊びに来てください。」
「はい、会える日を楽しみにしています」
そう言い合い電話を切った。

この感情は言葉にし尽くせないけれど、
とにかく嬉しくて幸せな時間だった

一つ一つの行動が、こういう形になることを知れた。
この喜びの為なら私はなんでもできると思った。

2017年3月27日月曜日

夜に考えること プロローグ#2

今日の夕方頃、千疋屋に行って果物を眺めていた。
目的は、フルーツサンドの購入だ。

マンゴスチン
648円

ふじりんご
1296円

メロン
45360円

この世には、本当のお金持ちというのが存在する
ということを
クレイジーな値段設定と共に再確認した。

フルーツサンドを購入しようと思った理由は、
「贅沢なものを購入して気持ちを満たしたかった」
からだった。
それはなんだろうかと色々考え結局たどり着いたのが
フルーツサンドだ。
千疋屋のフルーツサンドは、箱も包装紙もとてもかわいい。
ターコイズブルーに薔薇がプリントされたデザインになっていて
とても素敵だ。

母親がちょうど実家から東京に遊びに来ていたので、
金欠ながらも
「アップルパイを新幹線の中で食べて帰りたい」
という要望にも応えた。

バナナは一本(注:一房ではない)
300円ちょっと。
それを配送用の袋に詰めているゴリラ似のお兄さん。
東京では、これを普通に食べている世帯が存在するのね...

気持ちは穏やかではなかったが、
自分の未来にも希望、というか夢を持てて、
明日からがんばろう。という心持ちになった。

帰り際見た
キウイ
300円


「え!安い!」
と言ってしまった私は
お店にいた10分足らずで
千疋屋の魔法にかかってしまっていた。

2017年3月24日金曜日

夜に考えること プロローグ#1

隣の部屋に住んでいる柿沼さんとの話を少し。

先週、お茶のお稽古の帰り、柿沼さんと電車で帰った。

お稽古には、私のほかに、看護師さんや都庁の課長さんや、
給食センターの長など、それぞれの道のベテランのような人がいる。

柿沼さんはその人たちのことをとても尊敬しているという。
「みなさん、素晴らしい人たちなのよ。
生きていく中で、そういうふうになるのはすごいことですよ。
生きていくって大変ですからね。」
と言っていた。

それまで私、看護師さんや、都庁の課長さんがいるなんて思わなかった。
みんな、だって、すごい普通だから。
ありのままの自分で、人と気持ちよく接している。

言いたいことは言って、
認めるところは認めて、
良いところは褒めたりして、
ダメなところは優しく注意したり、
でも決して相手に嫌な気分にさせないように考えていたりする。

読むとシンプルなのに、実際に行動するには、
たくさんの時間と、たくさんの経験が必要なんだと思ったりする。