2013年7月11日木曜日

カレー 蜂 豆腐

事ある毎に、「冷酷だよね」と母親から言われることがあった。
(今もたまにあるけど、前ほどではないな)

こういう話は大体ポエムみたいになるのか?

ちょっと、過去の記憶から一つ。

冬の寒い日に、家にあるいらない毛布とか
亡くなった祖父が着ていた股引とかを部屋から全部出して
公園に両親と私で行った事がある。
私は、すごく、すごく嫌だった。
理由は、ホームレスの人たちにそういうものを渡す作業のためだったからだ。

段ボールですごいしっかり家が作られていて、
ドアとか作られてるところもあれば、
キャンプみたいにテント張って、
その上から段ボールを何枚も重ねたりしている家もあった。

怖いし、暗いし、どんな人が住んでいるかわかんないし、
どこかで、私は別の世界の人間だって思ってた。
段ボールでつくられている家のドアをノックした時、
私は恐怖しかなくて、後ずさりしていた。
母親からは、「自分で渡しなさい」と言われてた。

内心、なんでこんなことするのか全くわからないし、
何が目的なんだと思って、もういい加減にしてほしいし
向こうからしても余計なお世話だと思うとか思っていた。

そのときに、母親から、
同じ人間なのになんでそういうことを思うのか
頭おかしいんじゃないの?
自分はなんだと思ってるんだ、特別とか思ってるのか
って言われた記憶がある。


ノックした後に出て来た人は、ほんとに
ふっつーの(っていったらすごく失礼だけど)
ほんとに、ほんとに、背の高い、
祖父によく似た、普通のおじさんだった。
そのときのあっ!という衝撃みたいなのは忘れない。

ふつーだわ。みたいな、最低の、でもほんと、その言葉しか思わなかった。


後で車中で母親からこてんぱんに叱られて
自分の不甲斐なさと、人間の出来の悪さと
全てが重なって泣いたような気がする。

母親は、寒いでしょう。とか
他に喜ぶものとか、人とか知りませんか?って声かけてた。

なんてお節介!って思ってたけど、
あの姿は私のためでもあったのだと思って

なんて人だ、って今は思っている。(すごいという尊敬の意で)

なので、世界でこの人だけ、
母親だけはがっかりさせたくない
と決めている。





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